暖簾の作成では、反応染めや注染めと言われる
手法が主流となっていましたが、これらには
色数や柄によって価格が変わったり、繊細な
色使いや複雑な意匠には向かないなど
デメリットが有りました。
昇華転写では、こういったデメリットを回避
しながら、フルカラーで美しく、自由度の
高い暖簾作成が可能となっています。
昇華転写はどういったものかといいますと、従来の
染色によるものとは異なり、一旦、インクジェットで
印刷したものを、生地に熱で転写するという方法で作成します。
このため、絵画や写真といった細かで多彩な色使いのデザインも
取り入れることが可能になっており、鮮やかで、美しい暖簾を
仕上げることが可能です。
本染めでは難しかった、あるいは不可能だったことも
実現できますから、より見栄えがする、新鮮なものを
作ることも目指せます。
納期についても短縮することが可能で、特に難しい
デザインでは、本染めの場合はかなりの時間がかかってしまうのが
当然でした。
職人が何度も何度も手作業を繰り返して行くので、
やはり、その分時間がかかるのは仕方がありません。
しかし、昇華転写方式ですと、数日から10日も
見積もっておけば、それで充分というスピーディーさがあります。
近年は転写技術も改良が進んでおり、本染めのような
深みのある色合いを可能にする会社も存在しています。
その上でグラデーションを掛けたり、細部の再現能力も
高いのも、このタイプの長所です。
これから暖簾を考える際には、このタイプの利用も
考えてみるのも良いでしょう。