昔から日本の東西では、文化的な違いや習慣などによる違いが
ピックアップされ、比較されるなどして話題になってきました。
今回は、関東と関西では暖簾のスタイルにも違いがあることを紹介しましょう。
日頃からよく比較されるところですが、実はのれんについても
関東と関西では目に見えて大きな違いがあるのです。
まず、関東と関西ののれんの大きな違いには、竿へ通す部分に
大きな違いが見られます。
関東の暖簾では、竿へ通す部分に共チチと言われる輪っかが
取り付けられているのが特徴です。これは関東の暖簾の特色であり、
このような形状は関西では全く見ることができないのです。
そういったことから、この形状の暖簾を関東風仕立てと言われており
オリジナルで暖簾を製作する際にも、このように言えばそのとおりに
作ってもらうことができます。
一方、関西の暖簾の場合は、棒袋状の仕立てがなされており
この形状のものが関西では広く用いられているのです。
共チチを一つ一つ縫製する手間がかからないので
格安で仕立てることが可能です。
また、使用する際にも横にずれにくく、ピッタリと竿を収めることが
出来るため、効率を重視する関西ならではのデザインとなっているのです。
関東風仕立てに対して、関西風仕立てと呼ばれています。
長さは主に関東型・関西型・京都型の三種類
関東と関西では暖簾の長さにまで違いがあります。
こういった違いが明らかになったのは江戸時代の頃で、
徳川将軍による参勤交代が行われたことにより、西と東の文化的な交流が
活発になったことから、このような暖簾が今で明らかになったのです。
さて、長さの違いには主に関東型、関西型、そして京都型の三種類があります。
まず、関東型は長さは短めで横に長いのが特徴です。
江戸時代には暖簾をさっとくぐって店に入るのが粋である、と考えられたことから
便宜上短くされるようになったといわれています。
一方の関西型は縦長であり、長さを多くとっているのが特徴です。
関東型と関西型では長さが全く異なる事がわかります。
関西型をさらに細かく分けると、京都型があり、この特徴は関西型よりも
更に縦長になっているのが特徴です。
同じ暖簾であっても、地域によって長さや形が大きく異なっており
その地域で商いをするのであれば、地域の特性をよく理解した上で
オリジナルの暖簾の製作を依頼することが大切です。
周囲と異なっていると下手に浮いてしまい、知識がないことが
分かってしまうと恥をかくことになります。
新参者であれば周囲に相談してみたり、注文の際に助言を貰うと良いでしょう。